I様邸(兵庫県)
- 夏障子(葦戸)
- 檜材
以前にHPのなかで「夏は葦戸に入れ替えて」というタイトルでブログを綴ったことがあります。子供のころ、父のつくった葦戸が我が家に入ったときの話。それはとても幻想的な夜でした。今回のご依頼はこのブログを読んでくださった方からの一通のメールがきっかけになります。
四季ある日本。季節の推移に応じて「衣替え」は着物だけでなく、家、暮らしそのものを衣替えするという風習がありました。6月になると襖と障子をはずし、風をとおす葦戸に入れ替えて涼をとる。今で言う贅沢品です。
最近は高気密住宅になりエアコンで涼をとるようになったため、葦戸そのものが家屋から姿を消しました。それでも、日本ならではの情緒が確かに伺える特別な引き戸なのです。
納品建てつけの日、ギックリ腰を患って思うように動けない僕を何度も労ってくださる、ほんとうに思いやりの深いお施主様でした。
時代の流れとともに日本の文化が途切れないよう、これからも僕らにできることを発信し続けていきたいと思います。
※葦戸は夏障子ともよばれます。