私たちのものづくり

吉原木工所は、お客様の暮らしにそっと寄り添い、その人だけの願いや使い方を聞き取りながら、一点ものの組子建具を仕立て、光と風が静かに通う場所をつくります。建具づくりは、木と対話することから始まります。立ち木を思い浮かべ、木目を読み、木の上と下、裏と表を見極め、正確に墨付けをします。

刻むのは、木と木を確かにつなぐためのほぞ。釘ではなく木そのものの力で組むからこそ、熟練の精度と判断がすべてです。木肌にカンナをかけ、角を面取りしてなめらかな表情へと整え、木の癖やわずかな反りに耳を澄ませながら、かたちを静かに仕上げていきます。

組子づくりは、さらに繊細な世界です。数ミリの木片を数百から数千切り出し、それぞれに角度と溝を刻み、釘を使わずに組み上げていきます。わずかな誤差も許されない中で、静かな集中と根気だけが形を支えています。

吉原木工所では、組子を飾りではなく、引き戸・障子・ドア・間仕切りといった暮らしの建具として生かします。ご要望があれば、採寸から制作、取付工事まで一貫して行い、暮らし方や光の入り方、風の抜け方、守りたい景色を汲み取りながら、最適な納まりをご提案します。

伝統の技に、今の暮らしの感覚をそっと重ねること。その先に、生涯寄り添う建具と組子が生まれます。


組子の歴史

それは遠く鎌倉時代…日本建築における建具の技術として発祥したと伝えられています。細く挽き割った木に溝や角度をつけて、小さな木片をパズルのように組みつけ紋様を描く「組子細工」。正確な葉を作り出すための治具、葉鉋、毛引きといったさまざまな道具を巧妙に使いこなす職人の手業は、和建具のなかでも習得するには多くの年月を要します。

100種以上にのぼるとされる紋様にはそれぞれ意味があり、日本の風土と文化が作り上げた伝統技術としてこれまで800年もの歳月をかけて洗練されてきました。

庭や季節感といった外部環境を取り入れることで暮らしを豊かにした日本人の知恵と感性。光をとおす和装飾の間仕切りとして、組子は古くからとても馴染み深いものでした。


厳選した材

木は大きく「針葉樹」と「落葉樹」に分けられます。組子細工には素直で加工しやすい針葉樹が適しており、なかでも特に吟味した良質の銘木材が求められます。木は新建材と違い、色合いや年輪の細かさ、その表情は一本一本違います。木目には「柾目」と「板目」があり、その使い方を間違えると製品の美しさを損なうばかりか、将来的に反り曲がりの原因にも成り兼ねません。 

また、木には「アテ」とよばれる年輪の一部が太く、色濃くなった部分が見られることがあります。これは風や雪など育った環境により生まれる木の癖を表しています。アテは通常のそれよりも固く、曲がりやすい性質をもっているため組子には適しません。節などに比べて一見見分けがつきにくいアテ目を瞬時に見抜くには、熟練の経験から身につく木工職人の眼力が必要です。 


シーンに合わせた提案力

吉原木工所ではホテル・旅館・店舗などの商業施設、個人住宅等様々な空間に対しふさわしい意匠を考え、お客様のお話を丁寧に伺いながら、オーダーメイドで提案することを得意としています。これまでの実績を4つのスタイルに纏めました。


建具のプロによる設計

吉原木工所が作る組子を用いた建具には、組子障子、アクリル障子、両面組子、吊り戸、開き戸があります。取り付けを想定されている空間の使い方や御要望を細かく確認しながら、最適な仕様を御提案いたします。


デザインとコスト

また、組子の価格(制作費用)は、ご希望の寸法と模様およびそれらを組み合わせたデザインにより変わります。組子は柄のピッチひとつでも印象が大きく変わります。私たちはピッチの小さい方から順に、伝統柄、中柄、大柄と呼び、スタイルに合わせて最適に割り付けて提案いたします。


納品までの流れ

吉原木工所では一部のオリジナルプロダクトを除き、すべて受注生産でオーダーメイドで制作をしています。量産は行っておりませんが、特注品には柔軟に対応しております。ご注文の流れについては以下のページを参照してください。